年頭所感

全国クリーニング協議会

会長 高木 健志

髙木会長

 皆さま、新年おめでとうございます。それぞれに素晴らしい新春をお迎えになられたことと存じます。

 昨年を振り返りますと、2つの明るいニュースが飛び込んできました。1つは、医学博士の京都大学名誉・特別教授の本庶佑さんが「免疫チェックポイント阻害因子の発見と、がん治療への応用」に関してノーベル医学生理学賞を受賞されました。全世界で、がんに苦しんでおられる方々の希望の光へと必ず繋がっていく大変すばらしい功績だと思います。もう1つは、2025年「大阪万博」開催が決定したことです。長年の夢として掲げられ多くの人達が誘致に向けて努力されてきたことが、やっと報われました。2020年の東京五輪に続く国家プロジェクトとして、関西のみならず日本中に大きな経済効果・国際交流をもたらす事業がスタートしました。一方、つらいニュースとしては、例年以上に自然災害の猛威を受けたことが記憶にあります。台風や地震など、北海道から九州・沖縄まで日本全国・広範囲にわたり何度も被害を経験しましたし、その被害の規模は年々ひどく大きくなっているように思います。改めて災害に対する備え(保険を含む)の重要性を再確認させられた1年でした。

 クリーニング業界を顧みますと、取り巻く環境・形態・市場性どれをとっても一段と厳しさを増す1年になりました。特に3月の春先は、全国的に過去に例がないほど爆発的な実績を挙げられたところも多かったようですが、以降は春の繁忙期を含め厳しい状況が続く結果になりました。重ねて、酷暑が起因する現象として、夏場におけるワイシャツの着用スタイルに変化が見受けられました。その結果、昨年の夏期における ワイシャツのクリーニング需要は、地域間格差はあるものの減少に歯止めはかかりませんでした。あわせて、諸経費の高騰や最低賃金の上昇など、経営を取り巻く環境は厳しさを増すばかりです。単価を下げて商品を集めるという戦略から大きく変化させていかざるを得ない時代に入ったのではないでしょうか。家庭洗濯と対比するうえで、より良い品質・満足度・接客力・施設などを高めていくことこそが当業界の将来に対する道標ではないかと確信しています。また、業界をあげて新しいクリーニング需要の開拓、クリーニング文化の創出などの取り組みが必須になってきていると考えます。スポーツ庁が昨年「スニーカー通勤」を推奨するプロジェクトをスタートさせました。通勤と言えば、革靴が当たり前とされていますが、このように新しい生活文化や生活習慣を組み入れようとする流れの中で、我々としてはこれを絶好のチャンスと捉え新たなクリーニングアイテムとして構築できるよう取り組むことによって、新たなニーズを掘り起こせると考えています。やはり、今までとは違うこと、新しいことに常にチャレンジし続ける業界でありたいと願っています。

 今回、全協と全ク連との間において、需要喚起・事業継承・外国人研修生(人材)の3点を核として膝を交え何度も会合を重ねてまいりました。そして、昨年11月29日には展示会において両代表が同じ壇上に上がり、これまでの経緯を発表するに至りました。その中で、全協としても長年の懸案事項でもありました外国人研修生の期間3年制に対し、ともに協力し合い2020年の導入を目途に取り組んでいくことを宣言しました。会員の皆さまには、今後も本案件を含め色々な課題解決に向けご支援・ご協力をたまわりますと ともに、一つ一つの取り組みに対し成果を導き出しながら会員各社さまの繁栄・発展をもって、組織固めをより一層、増強してまいりたいと切望しております。

 最後に、今年1年が皆さまにとって充実した年になりますよう心からお祈り申し上げるとともに、全協の 進むべき道に更なるご理解・ご協力をよろしくお願いいたします。

年頭所感

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