年頭所感

日本クリーニング用洗剤同業会

会長 久保 章

久保会長

 謹んで新年のお慶びを申し上げます。日頃は当会の事業活動に多大なるご支援とご協力を頂き有難うございます。

 昨年も各地で大雨、台風被害が発生し、当業界関係者も多くの方が被災なさいました。被災者の方々にはお見舞い申し上げると共に、一日も早い復旧、復興をご祈念申し上げます。改めて日頃の危機管理の重要さが求められると痛感しました。

 昨年度上半期は経済にも大きな変化は見られず、為替相場、株価は安定的に推移しました。しかしながら、米中貿易摩擦の国内経済への影響、日韓問題による7月以降韓国からの旅行客数の大幅な減少によるホテル稼働率の減少等があり、特に九州では大きく影響が出ています。10月からの消費税増税により、後半は消費の動向が更に落ち込みました。一方、キャッシュレス決済への対応、消費税還元への取組なども実施されました。ホームクリーニングは施設数の減少傾向が続き、大手業者では中堅業者とのM&Aや買収、更にはコインランドリー店の増加、FC店展開拡大が見られました。新需要創造では、スニーカーランドリーやカバン、布団、枕洗いと新たな取組も行われましたが、今後も市場規模の長期・継続的な縮小は続くと推察致します。年間クリーニング代の支出額の回復は期待できず、従来のビジネスモデルから地域密着型の新たな需要の発掘が重要であり、過度な価格競争を回避すると共に、品質の差別化、付加価値への変革期であると思われます。

 一方ホテルリネンについてですが、日本政府観光局(JNTO)の独自の推計によると昨年の上半期(1月〜6月)の訪日外国客数は1,663万人と昨年同期比で73万人の増加が見られました。韓国人旅行客数は減少したものの、9月のラグビーワールドカップ開催に伴い欧米、東南アジアからの旅行客数が増加しました。今年の夏には東京オリンピック、パラリンピック、2025年には大阪万博を控え、テキスタイルリネンサプライ市場全体の経営課題は、賃金・物流コストの上昇、労働力不足であり、設備投資によるIT、IOTの活用や省人化が急務と考えます。業界全体は、適正価格に向けた価格改定(値上げ)の方向に動きつつあると推察致します。当会員16社は「衛生=高品質」製品に向けた最適な洗浄剤、処方の提供により業界への貢献を果たしたいと考えております。

 本年も皆様のご繁栄とご健康を心よりご祈念申し上げます。

年頭所感

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