年頭所感

一般社団法人 日本テキスタイルケア協会

代表理事 住連木 政司

住連木代表理事

 当協会は創設8年目を迎えます。当協会の目的は、アパレル、流通、クリーニング、消費者との情報交流の基盤づくりを実現することによって、国民の服飾文化をサポートすることにあります。

 昨年末、公式教本『紳士服整形仕上げの基本』を刊行しました。本年はこの教本を基にした「テキスタイルケアアカデミー」を創設し、新しい高付加価値ビジネスモデル開発のための研修を実施します。期間は本年6月より11月までに各2時間全24講座を実施し、試験合格者には社団認定「二級整形仕上管理士」資格を授与します。また、実技による講座を実施し一級整形仕上管理士資格認定を行います。

 現在の集中工場取次制度による大量処理低料金型のビジネスモデルは、社会経済高度成長期を背景に1960年代に完成したものです。以来、ほとんどそのモデルを変革することなく今日もなお継続し、1990年代以降の約30年間は、市場規模を劇的に縮小してきました。

 時代の変動によって写植業界のように消失したものもあり、また、新たに生まれたIT関連産業もあります。理美容、飲食などの生活関連業種においては、大胆なビジネスモデルの改革によって、時代のニーズにこたえながら市場を維持し、あるいは発展しています。

 1960年型モデルの家事代行的市場は、家庭洗濯イノベーション、進化型コインランドリー、繊維製品のウォッシャブル化などにより、将来的にも縮小し続けると予測できます。

 現代社会における服飾文化は、多様性とこれに対応する持続可能性を求めています。しかしこれに対応しようという業態は、産業として成立しているとはいえません。すでにイメージが定着した低料金と利便性をベースとするクリーニング業態と区別し、プロフェッショナルテキスタイルケアサービスの専門的な提供こそが、時代が求める未来志向のビジネスモデルであるといえます。

 私たちは、その提唱と実現に向けた情報提供と研修活動を続けていきます。

年頭所感

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