年頭所感

一般社団法人 日本リネンサプライ協会

会長 堀井 正隆

堀井会長

 明けましておめでとうございます。日頃から日本リネンサプライ協会への格別なご支援、ご協力を賜りまして、誠にありがとうございます。

 まず初めに、3期にわたりリネンサプライ協会会長を務められました、株式会社巴屋の武田会長が2024年10月に逝去されました。当協会に対し、多大な貢献をされました事に対し、改めて感謝申し上げるとともに、ご冥福をお祈り申し上げます。

 協会の昨年の取組を報告致します。①新日本WEX株式会社の京都工場の視察、②ワーキングチームを編成し、協会理念の策定、③技能実習生制度廃止に伴う育成就労制度移行に向けた特別委員会の設置、を中心に活動を行いました。

 2023年秋に行う予定であったリネンサプライ講習会が、2024年1月に後倒しでの開催となりました。新日本WEX株式会社の廣瀬純平社長にご尽力頂き、ラグジュアリーホテル専門工場を見学させて頂きました。例年よりも人数が多い、約300名の協会員が参加し、活気ある工場視察となりました。また、2024年11月の講習会は、初めて工場見学を伴わず執り行いました。

 上記の、昨年の時期ずれと、今回の工場見学なしの講習会の開催とは、今までとは異なる、イレギュラーな形となっており、協会員の皆様にはご心配をおかけしました。しかし、これは、リネンサプライ協会の若手メンバーへの引継ぎを意識し、従来の慣習にとらわれない柔軟な考えで、時代の変化に合わせた、新しい視点で様々な形を模索していることと捉えて頂ければ幸いです。

 協会理念はミッション「全協会員が研鑽し、更なるリネンサプライ業の価値向上を目指す」・ビジョン「お客様のパートナーとして、観光立国日本を支える柱となる」・バリュー「品質と安定供給、お客様との相互理解、サステナビリティ」と定まりました。

 技能実習生制度の廃止が閣議決定された事を受け、リネンサプライ業種として将来的に育成就労制度の活用を目指し、特別委員会を設置しました。廣瀬純平社長を委員長として活動してもらっており、会員企業宛にアンケート等を既にとりはじめ、積極的な活動をして頂いています。協会として、引き続き、総力を挙げて働き掛けをしていきます。

 さて、昨今のリネンサプライ業界は、インバウンドの影響もあり、売り手市場となりつつあります。我々協会員にとっては、非常に嬉しい事ではありますが、その需要に対応するだけの、受入れキャパシティが不足している事が喫緊の課題と考えています。

 然し、建築費が5年前の2倍以上、また慢性的な人手不足、資材費や機械費の高騰など、新工場の建設には様々な壁が立ちはだかります。その状況の中、昨年策定しました、協会理念のビジョン「お客様のパートナーとして、観光立国日本を支える柱となる」に立ち返り、考える必要があります。

 生産性向上や、生産コストの削減など、企業努力を重ねたうえで、吸収が出来ないコスト増に関しては、お客様に価格の適正化のご理解を頂き、単価改正を行う必要があります。

 また、人手不足の問題は、他業界との競争となります。従業員の賃金だけでなく、休日を増やす事、有給の消化率を上げていく事など、今働いている従業員の離職を防ぐ事に繋がるような労働環境の大胆な改革が必要となり、これは更なる良い人材の確保にも波及していくことでしょう。

 今後も需給バランスが改善せず、売り手市場が続くような事があれば、外資企業や大企業の業界参入の可能性も否めません。そこに対抗するためにも、リネンサプライ協会を通して、協力し、学びあい、各社の競争力を高め、持続可能な経営を実現していく事が求められています。特に、ホテルリネンサプライを担う当協会員の皆様には、経済の変動や市場の変化に柔軟に対応しながら、長期的な成長を追求し、企業としての社会的責任を果たしていく姿勢が大切であると考えております。

 私は、リネンサプライ協会理念のミッション「全協会員が研鑽し、更なるリネンサプライ業の価値向上をめざす」の通り、皆さんが、協会の活動に積極的に参加し、協会を活用して頂くことを通して、業界発展を目指していきたいと存じます。

 結びに、目前に迫った大阪・関西万博の成功を祈念するとともに、業界を挙げてその運営に些かなりとも貢献することを表明します。そして、会員各社のますますのご発展とご繁栄を祈念申し上げ、年頭の挨拶といたします。

年頭所感

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