年頭所感

全国ふとんクリーニング協会

理事長 矢島 雅之

矢島理事長

 新年あけましておめでとうございます。本年も宜しくお顆い申し上げます。

 日頃から全国ふとんクリーニング協会の活動にご支援ご協力を賜わり心より御礼申し上げます。

 当協会は、1995年(平成7年)「ふとんクリーニングの普及と啓蒙活動を通じ、国民の健康で快適な生活環境づくりに寄与する」ことを目的に設立され、今年創立30周年を迎えることになりました。これも偏に、業界関係者様、諸先輩会員の皆様のご指導の賜物と感謝申し上げます。

 本年2月21日の春季見学研修会に合わせて創立30周年の記念パーティーを予定しております。当日は、昭和西川株式会社様の羽毛ふとんリフォーム新工場の見学会も予定しておりますので、あらためてご案内申し上げます。

 さて昨年の「2024年問題」では、特に物流コストの上昇が様々な分野に多大な影響を与えました。さらに今年は「2025年問題」が大きな課題となります。75歳以上の人口が2,180万人になり、国民の4人に1人が後期高齢者という超高齢化社会は、様々な分野に多大な影響を与えることが懸念されています。

 クリーニング業界は昨年記録的な猛暑の影響があったこともありますが、ワイシャツの点数が減少したといわれています。テレワークの普及定着やカジュアル化の進行、物価上昇による節約志向など、様々な要素から一般クリーニング品の需要は今後も大きく増えることは考えにくい状況あることは否めません。新たな需要の創造が急務といえます。

 こうした状況の中、全国ふとんクリーニング協会では様々な角度から需要の開発を進めております。

 いま寝具業界は大きな変革の時を迎えています。掛けふとんで主流となっている羽毛ふとんは、原料となる羽毛の高騰から新品の羽毛ふとんの売行きが下がってきています。SDGsが注目される中、使い捨てではなく「長く大切に使う」という流れにあり、羽毛ふとんメーカーでは新品販売からリサイクル、リフォームを意識した事業へと転換が進みつつあります。

 当協会では、寝具メーカー団体とも協力関係を構築して「ふとん洗い」の習慣化を推進するだけでなく「羽毛布団のリフォーム」等についてもコラボキャンペーン実施へ向けて取り組みも進めております。さらに当協会の会員企業を中心にテストを進めて参りました羽毛のダウンパワーを回復(傷ついた羽毛を修復)する新技術「羽毛アンチェイジプラス」も、加工時間を短縮する技術改良も進み、各方面での広がりをみせています。クリーニングの需要回復の一端を担う商材となることを期待しています。

 もうひとつ、当団体が目指しているのは、家の中の需要開発です。国土交通省は、人生100年時代に合わせて「100年住宅推進事業」を推進していますが、住宅を健康に保つためには、ダニ・カビ・結露などを含めた、住宅内の環境改善が望まれます。さらに今注目されてきているスーパートコジラミ対策についても専門の機関とともに研究を進めて参ります。

 クリーニング業界を取り巻く環境は厳しい状況ではありますが、そうした中で当協会は会員数も増加傾向にあり、皆様のご期待にお応えしていくためにも前向きに事業を進めて参りたいと考えておりますので、本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

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