技術ノート
第5回 上手な洗濯脱水機のメンテナンス

メンテナンスはとても厄介なもので、なかなか手が回り難いものです。しかし、これの良し悪しで機械の寿命が左右されますし、何といっても忙しい時に故障するのはたまりません。
メンテナンスは今まで維持、管理といった事が中心でしたが、故障の予防にも大きな効果があり、メーカーも取り扱い説明書に工夫するなど、力を入れているようです。

最近の洗濯脱水機は性能が向上し、しかも日常のメンテナンス項目も大幅に減少しました。勘所を押えて短時間に、しかも簡単にメンテナンスする方法を考えてみましょう。

■機械は警告を発信します

機械は"音や動作"で警告をちゃんと出します。
聞きなれない騒音が出たり、音の音色が変わったりした場合、まず場所の特定をします。

ポイント1

洗濯脱水機の第一に重要な部分は"主軸軸受け"です(通称主軸ベアリング)。言うまでもなく、いつも回転している部分を支えており、"グリース、オイルは必ず定期的に補給します"。
廃油配管が接続されている場合、必ず給油時に廃油も点検します(水が出ていたら大変です!)。

小型機械の場合、過度の給油に注意しましょう。ドラム側に余った油が出る場合があります。あまり機械を使用しない時は、給油の頻度は控える事が肝要です。

ポイント2

脱水時に使用している"防振装置"も重要です。
スプリング式と空気バネ式があります。いずれもめったに故障する事はありませんが外胴が無負荷の状態で、傾がっていたら危険です使用は控えるべきです。

バネと一緒にショックアブソーバが取り付けられています。ほとんどがオイル式を採用しているので、繰り返し脱水するとオイルの温度が上昇し、多少外胴の揺れが大きくなります。ショックアブソーバは寿命がありますので、外胴の揺れが大きくなった事を感じたら交換しましょう。

ポイント3

電気部品は"水分、高温度、ほこり、雷"が嫌いです。
最近の機械はマイコン、シケンサー、インバータが多く採用されています。掃除は必ず必要です。コンプレッサーのエアーを1kg/cm2に程度に減圧して吹き飛ばしましょう。電気部品の耐熱温度はほとんどが60℃です。もちろん結露や凍結はいけません。

注意しましょう

洗濯脱水機へ衣料を入れる場合必ず"基準負荷量以下"にします。過負荷にすると機械の寿命を縮めます。逆に基準負荷量の60%より少なくなると、脱水時バランスが取り難くなり、アンバランスが発生しこれも寿命を縮めます(主に主軸周りの寿命を縮めます、脱水時アンバランスが多いと振動で色々な部品がいたみ易いです)。

■メンテナンスの実際

メンテナンスはほとんどが標準的な工具で出来ます。取り扱い説明書にほとんどの情報が記載されています。機械の構造を少し理解し、実際に行ってみましょう。

給油

まず必要な"油を準備します"。
自動給油装置で給油されている場合、どのくらい時間が経過すると給油すべきか知る必要があります。給油した時、荷札に給油した日付けを書いて取り付けましょう。親切なメーカの場合、日付けが記入出来るシールが取り付いている場合がありますので、利用しましょう。

電気回り

故障の"80%以上が電気回り"と言われています。
その中でも多いのは、エアーソレノイドバルブの作動不良です。ほとんどが汚れたエアーに起因します。調子の悪いソレノイドバルブをドライバーで外し、分解掃除すると、たいがい直ります。

コンプレッサーと機械のエアーフィルター"ドレンは毎日行いましょう" 。ドレンした時、牛乳みたいなものが沢山出てきたら、コンプレッサーに"エアードライヤー"取り付けを考えましょう。

注意しましょう

蒸気が接続されている所は加熱されていますので、やけどに注意しましょう。電気は必ず元を切てから、回転部分に手を入れない...安全優先で不具合早期発見しましょう。

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