サンタの挑戦
第7回 サービスは誰のため?

繁忙期前に、ボクの「しろねこ」店づくりは着々と進み、得意の(?)立て看板もPOPポスターも完成した。そして、本番の4月に突入!
しかし、ボクが予想したほど、来客や売上が倍増したわけではなかった。
確かに、お客様ウケはいい。「見やすい」「キレイだ」とお誉めのコトバもいただいた。が、父には「サンタ、オレの汚い(?)ポスターでもおまえのキレイなポスターでも、結局お客さんは持って来るんだ!」と、イヤミを言われてしまった。
カナエ姉さんに至っては、ボクを煽ったくせに、「わかりやすく知らせるのは当然だけど、ポスターだけで売上が倍増したら苦労しないわよ」と言ってのける。
ああ、結局ボクはこの姉の操り人形なのか・・・と、集荷品を満載した愛車を喫茶店「えんじぇる」の前に停めた。

「だいぶ、お疲れのようだね。砂糖たっぷりのカフェオレにするかい?」とマスター。
「うん、それにケーキつけて」とボク。
そこへ「私も同じでネ、マスター」と、マリコがやってきた(しかし、よく会うね)。マリコは市内の商社勤めで、営業事務を担当している。書類を届けたり集金に回ったりするので、その合間に「えんじぇる」へ立ち寄るのだ。
ボクの話(また愚痴だけど)を聞いて、マリコは
「そうね・・・、お店のイメージアップは大切だし、割引セールは私もうれしいけど、それはいつもお店に来る人にしかわからないサービスでしょ?」
と言って、「時間だから」と伝票を預けて帰った(つまり、ボクのおごり。授業料とのこと)。
うん、その通り。
サラリーマンを辞めて以来、ずっとお店側から考えていたので視野が狭くなっていたようだ。いつものお客様(固定客)にサービスするのは大切だけど、それだけじゃ売上アップは望めない。
だから、いつものお客様へはもっと多くの品物を何回も持ってきてくれるようにサービスの「質」を変えよう。そして、新しいお客様をもっと増やすような販促を考えよう。

「マリコには愚痴ってばかりで、嫌われちゃうね」と言ったら、マスターは「知らないだろ?マリコはいつもここへ電話をくれてから、立ち寄るんだよ。キミがいるかどうかってね」
ええっ、それホント?

サンタの挑戦

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