サンタの挑戦
第9回 お店を取り巻く競合店

忙しい中「えんじぇる」へ通い詰めた甲斐あって、いくつかの販催企画がまとまった。そこで、取り急ぎ営業会議を開くことにした。内容的にみんなの協力が不可欠だし検討に時間がかかりそうなので、次の日曜日に昼食をとりながら会議を行うことにした。

先ずは社長(父)から一言。「まったく・・日曜くらい休ませろよ。またオマエの難しい話を聞かされるのか」(ご機嫌斜め)
専務「そう言わないでよ、社長。サンタ・・いえ、営業スタッフがない知恵絞って考えたんだから」(悪かったね)
社長「そうだな。ちゃんと給料払っているんだから、売上を伸ばすアイデアでも考えて自分の給料くらい稼ぎ出してもらわなきゃイカンよな」(がまん、がまん)
サンタ「では、提案します。ウチの店は、来客のほとんどが固定客です。これは安定した経営という反面、これ以上の売上アップが期待できないことを意味します」
社長「おまえな、大切なお得意さんをガッチリつかんで、満足してもらえる仕事を続けて、何が悪いんだ!」

サンタ「では社長、この辺りにクリーニング店が何軒あるか知ってる?」
社長「そりゃ、組合でおなじみのAさんくらいだろ?」
サンタ「違うよ。Aさん以外にバス停前の取次店と、駅前通りに低料金のチェーン店。そして先日、駅前にキレイで割安なユニットショップができました」
社長「ふん!低料金の店といっしょにされちゃ迷惑だ」
サンタ「社長は迷惑でも、そのお店はけっこう繁盛してるよ。だって、いつも来るYさんの奥さんが利用してるのを見たよ」
社長「何?まぁ、去るものは追わず、だ。ウチを気に入ってくれる人は大勢いるんだから」
サンタ「では社長、『大勢』とは何人でしょうか?その『大勢』の名前と住所は全て知っている?」
社長「・・・」
サンタ「では、この辺りに住んでいる人は、ウチのお店があることを知っているでしょうか?」
社長「当り前だ!オレはここで30年以上も店を構えているんだ。知らないヤツはモグラか幽霊よ!」
サンタ「でもね、社長。去年ウチの裏手にできたマンションの住人、一度もウチに来ないよ。洋服、着ないのかな?」
社長「・・・」

専務「ちょっと、サンタ!言い過ぎよ・・・フフフッ」(自分だって笑ってるくせに)
社長「オレに何をしろって?ウチでそんな安い仕事ができるか!」
専務「でもね社長。Aさんのお店、先月から料金を下げたみたい」
社長「何っ?あいつ、一言も相談しないで・・・」
そりゃ、相談できないでしょ。低料金店ができたのは、Aさんのお店の斜め向かい側だもの(気づかなかった父が悪い)。カナエ姉さんのダメ押しで、父は急に黙り込んでしまった。

サンタの挑戦

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